ホーム 教室紹介 猛勉強時代 英語ゲーム paperback 自己紹介 英語サークル 旅行記
CNNの見方 お役立ち本 英語ことわざ 心に残る言葉 赤毛のアン リンク 写真日記 クイズ

私の過去の英語勉強法について



Output
第1章 英語サークルに入る 第2章 ネイティブの友達を作る.
第3章 勉強会をする 第4章 メールの交換をする

Input
Reading 1.Asahi Weekly Writing 1.松本亨英作全集
2.Time 2.スピーチを作る
3.Asahi Evening News 3.読者参加の雑誌に応募
4.Japan Times Weekly
5.Paperback
6.翻訳の通信教育
Speaking 1.ラジオの英語番組を聞く Listening 1.Hearing Marathon
2.Speaking Marathon 2.英語番組をみる
3.英語にしてみる


今、英語の勉強をしている人やこれから英語を勉強したいと思っている人の参考にしていただけたらと思いこのページを書きました。これは私が1989年から約11年にわたる「英語猛勉強時代」と呼ぶ時代ににどのような勉強をしてきたかを1999年に書いたページです。今考えるとそのマニアックぶりに気が遠くなりそうです。しかしわき目も振らずに猛勉強をする時期は必ず一度はどこかで必要な気がしています。

勉強には「アウトプット」 と「インプット」 の両方が必要・・・これは私が以前ある先生から言われた言葉です。具体的には一人でせっせと地道にする勉強が「インプット」で、それを実際の場で使うのが「アウトプット」ということだと思います。それではまずアウトプットの方から・・・気が遠くならないように気を確かに持って読んでくださいね。(注:全て1999年現在)

(現在では最新のテクノロジーの進歩とともに勉強法も過去には考えられないほどの目覚しい進化を遂げています。インターネット、iPod,iPad, iPhone など使わない手はないでしょう。これで英語が上手くならないはずはないような環境になったような気がしています。なお刻々と進歩する勉強法はその都度ブログで紹介しています。

OUTPUT
1.英語関係のサークルに入る
英語のサークルは意外にたくさんあります。公民館などに問い合わせてみてください。私は新潟県三条市に住んでいますが、新潟市にある「サークルABC2」に入っています(上記のとおり1999年現在)。活動日の月曜日には毎週車で約1時間ほどの道のりを通っています。

サークル自体も大変楽しく有意義なのですが、英語の勉強に関して言えばいくまでの準備過程が最も意義があります。現在サークルABC2では主にNHKラジオの「やさしいビジネス英語」と Japan Times Weekly を使っています。「やさしいビジネス英語」は夜放送されるので、毎晩録音し(その場では絶対聞かない、まじめに聞こうとすると必ず寝てしまうから!!)、翌朝朝食を作りながらとその後、犬の散歩に行く時にウオークマンで聞いています。1週間それを繰り返し、日曜日に、今度はテキストを見ながら全体を復習し、余裕のある時は全スキットを暗誦。余裕のない時は Words & Phrases と Vocabulary Building に出てくる表現だけでも覚えます。「やさしい」というのはウソで私たちは「難しいビジネス英語」と呼んでいます。最近サークルの友達に一度文章を書いてみるといいと言われて、日本語訳の方をみながらワープロで全文を書くようにしています。その後英文の方を見てテキストと同じになるように直します。これでかなり覚えるのが楽になった気がします。覚えるにはやっぱり五感をフルに利用するのがいいみたい。絶対おすすめです!Japan Times Weekly 等の記事については一通り読んでおきます。日常的に英語を話す機会は少ないので、サークルに出て英語で話すだけでも勉強にはなるのですが、家で行うこのインプットがあってはじめてサークルの場でのアウトプットが意義あるものになると思っています。

往復2時間あまり、往路は録音したテープを聞きながら、復路はポップスを聞きながら運転しています。ちなみに何を隠そう、私はカラオケ大好き人間で、新しい歌は新潟からの帰り道に覚えています。やっぱり時間は有効に使わなくっちゃ!!

.ネイティブスピーカーの友達を作る
私は大学は英文科ですが、実は大学時代はそれほど英語はできなかったと思います。再び英語をやろうと思ったのが11年前、英語を教え始めたときからです。最初、自分一人で、あるいは友達と一緒に勉強していたのですが、なかなかネイティブと話す機会がなくて、「どこかの会話スクールに行こうかなー」と考えてもいました。しかしそうこうしているうちに、たまたまネイティブの人と仲良くなることができ、結局行かずに終わってしまいました。きっかけは、友達の紹介によるもの、国際友好会館の「友達募集」の張り紙によるもの、また当時は大胆にも、とにかく外国人を見ると必ず声をかけていました。でも、実はこれで「自分に気があるのでは・・・?」と誤解され、そのあと困った羽目に陥ったこともあるので声をかける際には、くれぐれも相手を見極めてからにしましょうね。

国際友好会館で language exchange partner (日本語と英語の交換レッスンをするパートナー)募集の張り紙を見てpartner になった人もいました。アメリカ人等で英会話をこちらで教えている人には「どうしてただであなたと英語を話さなくちゃならないの?私と話したければお金を払いなさい。」という考えの人が結構いるように感じます。まあ確かに「英会話の実験台にされるなんて冗談じゃないョ!」という気持ちもわからないではありません。でもみんながそうというわけではありません。私はある人からこう言われたことがあります。「自分には日本人の知り合いはいっぱいいる、でも友達はあなただけだ。」と。ただ英語を話すチャンスを得ると言うためだけではなく、対等な友達として付き合うならお互いに与えるものがなくては長続きしないのではないかという気がします。共通の目的や、共有するものを持つといいと思います。その人は私が作っていったスピーチを面白いと言ってよく見てくれました。現在は、新潟に住む友人 に日本語を教えることが私の英語にも大変役立っています。

また英会話スクールも選択肢の一つだと思います。その場合は、自分で勉強したことを実践する場だと心得て、積極的にしゃべることが成功の秘訣です。黙って座れば魔法のごとく英語がしゃべれるようになる・・・なんてこと、絶対ありません。あるいは先生と個人的に親しくなってレッスンの後、お茶しに行くっていうのもいいかも。

.英語をやっている人を見つけていっしょに勉強会をする
私は11年前に英語をちゃんとやろうと決めてからいろいろな人と一緒に勉強会をしてきました。相手のレベルや目的、性格その他によって、私の方で合わせてしまうので、勉強しようという気持ちのある人なら相手は誰でも O.K.最初のころは、Asahi Weekly という週間新聞を使って、その中の Global Beat という毎週連載の記事をいっしょに読んで日本語訳をしていました。又、「松本亨英作全集」(英友社)という全10巻からなる英作文の本はかなり長期にわたって勉強の柱になっていました。

現在は同じ三条市に住むKさんと週1回勉強会をしています。最近はインターネットで新聞記事をダウンロード、それを一人が読んで、もう一人がそれを聞いて通訳していく、というのをやっています。以前(いっしょに初めてから最初の2,3年)はかなり過激に相当量の予習が必要な内容のことをやっていました。特に英検受験のための勉強をしていたときは、毎回山のような単語や熟語、文の暗記をやっていました。当時は道を歩いていても目の前に英単語がぐるぐる回っている状態だった。しかし、だんだん忙しくなって、予習に時間が取れなくなってきたので、目下のところ予習なしのぶっつけ本番でやっています。

これまで勉強会でもいろんな本、参考書、雑誌その他を使ってきましたが、それについては INPUT のところを見て参考にしてください。また勉強会をする際大切なことは勉強時間中は日本語は話さない、必ず英語で話すということです。

ちなみに過去何人かの人と勉強会をしたことがあるのですが、彼女とが1番長い。長く続けられた理由は、まず彼女は私が個人的に会ったことのある日本人の中で、もっとも英語のできる人だということ。そして一旦やると決めたことは槍が降っても鉄砲が降ってもやる!という鉄の意志と人間離れした性格の持ち主だからということです。それが証拠に、彼女と初めてあったのが多分7年ほど前で、そのとき私から「時間がもったいないので二人でいるときは英語で話しましょう」と提案したところ、それをきっちり守り続け、今日に至るまで、日本語で話したことがない!!とまあ、かなり unbelievable な人物です。1997年に二人でサンフランシスコに旅行したとき、帰りの新幹線の中で二人で延々とお喋りを続けていたところ、隣に座っていた日本人のビジネスマンがすっかり私たちを日系アメリカ人か何かと思いこみ"May I speak to you?"ときた。英会話練習の絶好のチャンス!!と思ったのでしょう。しばらく英語で話しているうちに、実は二人とも全くの日本生まれの日本育ちと知り、「ど、ど、どうして英語でしゃべってるの???!!!」 「・・・・・・・・・」

.メールフレンドを作ってメールの交換をする
英語上達のコツはできるだけ英語を使う機会を多くすることでしょう。そのためにはメイル交換が一番手っ取り早い方法です。「英語は書くのはいいけど、話せない」という人がいたらそれはうそです。書けたら絶対話せるはず。英語は書けてこそ実力であると私は思っています。日記を書くのもいいけど、反応がないとやっぱりちょっと物足りない。

現在私は、アトランタに住む Paul と主にメ−ル交換していますが、ほかにもイギリスの Gregory やチェコの Iva 、その他世界のあちこちにメールフレンドの輪を広げています。Paul はアメリカから国際電話もかけてきてくれます。英語を使うチャンスが増えると同時に、今世界で何が起きていてそこに住む人たちが何を考え、どんな暮らしをしているかがわかります。絶対おすすめです!!第一、メ−ルが来ているととってもうれしい!!

インターネットでチャットのプログラムを利用するのも一つの手です。私は昨年(1998年)の6月頃にICQというチャットプログラムをインストールしました。これで、世界中の人とキーボードでおしゃべりができます。チャットのボードが二つ画面上に現れてきて、がんがんおしゃべりができます。また、同じ音声システムを持っていれば、電話のように音声でチャットすることもできます。私はまだ試したことはないのですが、音質はラジオのようだそうです。それができれば国際電話が、市内料金でかけられます。私はキーボードを打つのがとっても速いので、どこの国の人とおしゃべりしても私の方が絶対いっぱいしゃべってるんですよ。ICQで知り合ってその後メ−ルでコミュニケートしている人もいます。ただし、これをはじめると1時間、2時間あっという間に過ぎてしまうので、時間の無駄のような気がして、今はあまりやっていません。でも暇のある方はぜひ試してみてください。

INPUT

読む、書く、話す、聞くの4点と、あとは語彙の強化その他について、私が実際にやってみて良かったことをあげてみます。

READING


1. 週間英字新聞 Asahi Weekly

11年前に再び英語を始めた頃に購読していました。1週間に1回発行されるウイークリー英和紙です。記事には難易度を示す星印がついているので、読むときの目安になります。1週間のニュースのほかに、映画、エッセイ、歌、旅行、翻訳、小説、会話など内容はバラエティに富んでいます。日本語の注釈がついているので、辞書を引かずに読めるのが利点です。ちゃんと読むなら、知らなかった単語や、イディオム、フレーズなどノートに書き出すなどして覚えます。

2.週間マガジン TIME
タイムはWeekly 紙です。しばらくAsahi Weekly を購読した後、文章も語彙のレベルも段違いに難しく、一つ一つの記事も文も長く、文章量も多い難解なタイムに いきなり変えてしまいました。それというのもやはり読解力をつけるには、「世界でもっとも洗練された英語」とされているタイムかニューズウイークを読まなければならないといろいろなところで耳にもし、目にもしていたからです。最初はどうしたらこんなものが読めるのか?と思ってしまいましたが、「タイム」の中にも比較的易しい記事もあり、楽に読めそうな記事から読んでいきました。続けて読むうちにそれまで全然無関心だった世界情勢の流れをつかむことができるようになり興味もわいてきました。知らなかった単語や、表現はノートに書き出すようにしました。

語彙を増やしたい人、読解力を身につけたい人、世界情勢に通じたい人にはお勧めです。しかし文字が非常に細かく、紙質がぴかぴかした上等の紙で蛍光灯の光に反射してしまって見づらく、タイムを購読していた数年間のうちに元々悪かった視力が極端に落ちてしまいました。

3.英字新聞 Asahi Evening News
英字新聞です。タイムをやめた後しばらく購読していました。新聞記事は読みやすくできていて、タイムを読んだ後では、易しく感じました。実際、新聞は日本語の新聞を考えてみてもわかるように小学生でも中学生でも読む人は読みます。特に三面記事などは、誰にでもわかるように書いてあります。それは英字新聞でも同じでしょう。英語にあまり慣れてない人にはむしろ英字新聞がおすすめです。何面を読むかによっても難易度は全然違うので、初歩の人から上級者までO.K.です。ただし難点(?)は、毎日来ること。ちょっと読むのをさぼると、どんどん読まない新聞がたまってきて、強迫観念から、悪夢にうなされることになります。

4. 週間英字新聞 Japan Times Weekly
週間新聞です。現在「サークルABC2」で使っている新聞です。こちらは同じウイークリー紙でもアサヒウイークリーより難しく、内容は政治、経済が中心で、娯楽的要素はあまりありません。日本語の注釈も多少ついてますが、一部です。忙しくて毎日来る新聞は無理、タイムは量が多くて読んでいられないと言う人にはお勧めです。

5.英語の小説 Paperback
ペーバーバックは楽しんで読めそうなもの、自分のレベルにあった読みやすいものを選んで読みます。私は、Sidney Sheldon の小説を結構読みました。どの小説も英語がシンプルで易しくて、中身がおもしろいので、どんどん先を読みたくなります。最初に読んだのは”The Naked Face" で彼の作品の中で私が一番好きな一冊です。Robin Cook の小説も何冊か読みました。この人はお医者さんだったらしくて、すべて医学ミステリーです。"Outbreak" は私が最初に読んだ作品であり、これまた一番好きな作品です。

ジャンル別、難易度別にペーパーバックを紹介しているアルク発行の「ペーパーバッククラブ」という本は自分にびったりのペーパーバックを探すのにおすすめの本です。私はこれで、いろんな本と出会いました。「恋愛小説」や「ポルノ小説」とか「ゲイ小説」とかのジャンルもあります。ちなみに「ポルノ」は英語が易しくすぐ読める、しかもたとえ英語が分からなくても想像力を働かせればきっとわかっちゃうでしょう。Asahi Weekly にも本の紹介、ベストセラー紹介のコーナーがあったので、それで気に入った本を見つけたことも結構ありました。最近はいろいろペーパーバックのホームページもあるようです。きっと自分にびったりの一冊が見つかると思います。

.翻訳の通信教育を受ける
私は2年間ほど翻訳の通信教育を受けていました。個人で翻訳事務書を開いている先生について、契約書などの法務文書の翻訳の勉強をしていました。法律関係の文章は文章も一つ一つが長く、ややこしく難しいのです。いくつもの解釈ができるような文では誤解が生じるといけないので、意味をきちんと定義するために長ったらしい修飾をするのだと思います。私は課題を渡されると、まずピリオドがどこにあるか確認していたくらいです。2,3行で終わっていれば「やったー、ラッキー!」という感じです。翻訳の勉強をすることで細かいところまできちんと読み取り、文を深く読む訓練ができたと思います。また、英和をやると日本語に気を配るようになります。英語を始めたばかりの頃は、日本語を忘れてしまおうとするのですが、翻訳を始めると日本語の大切さを改めて感じます。

WRITING
英語は書けてこそ本当の実力であるというのが私の考え方です。話せても書けない、ということはあっても、その逆はないと思っています。書ければ必ずその英語は話せます。ライティングの力をつけるということは同時にスピーキングの能力も高めるということです。私にとってはライティングとスピーキングはほぼ同異義語です。私は自分ではかなりの量の英文を書いてきた方ではないかと思います。まだそれでも充分ではないとは思いますが。

書くためには総合的な英語の力が必要になってきます。また、日本人だからといって誰でも上手に日本語の文章が書けるかというと、そうではないのと同様に、良い英文を書くには言語のセンスが必要になってきます。どうすれば効果的で魅力ある文になるか?また、書く英文の種類によって、どんなレベルの英語を書くか?それを考えるのは結構楽しいです。

1.松本亨英作全集(英友社発行)
この本をamazonで見る
この全集は私の英語のバイブルであり、今日の私の英語のすべての基礎ををなしています。
まさにこの本によって「目からうろこが落ちた」という感じです。英語と日本語はあまりに違っていて直訳では意味をなさないことが多い。その場合、日本語の意味を汲み取り英語の発想でまったく違うものに表現していかなくてはなりません。いかに日本語の発想を英語の発想へと転換していくべきか、それをこの本から学びました。自分でやってみた後、正解をとりあえず覚えていきました。勉強会ではこの本を長期にわたって活用しました。

2.スピーチを作る
私は大学の時、ESS (English Speaking Society) に入っていたのですが、当時はスピーチが超苦手でこんないやなものがこの世にあろうかと思っていたほどです。しかし11年前に再び英語をはじめたとき、まず1年目に英検準1級をとり、その後1級のテストを受ける準備として、スピーチを書き始めたのです。というのも、1級の二次テストには当時パブリックスピーチというのがあって、20人の受験者と2人の試験官プラスタイムを計る人たちがじっと注目している前で、即興のスピーチをしなければならなかったからです。(最近テストの形式が変わって、どうやら大勢の前でのスピーチはなくなったと聞いていますが。)実際は1次テストに合格すること自体がかなりの難関なのですが、当時はずうずうしくも、「1次に受かったら大変だから」と1次を受ける前から2次の心配ばかりしていたわけです。実際の場ではどんなテーマが与えられるかわからないので、過去に出題されたテーマについて、片っ端からスピーチの原稿を作っていきました。全部でいくつのスピーチを作ったでしょう?当時私には新潟市で英語を教えているオーストラリア人の友達がいて1週 間に1度会いに行っていたのですが、私は会うたびにいくつかのスピーチの原稿を持っていきました。最初は遠慮ががちに見せていたのですが、彼は快くそれを見てくれて、文章が自然に流れるように直してくれました。そして、これはエッセイである、面白い、あなたのスピーチを読むのは毎回楽しみだ、と言ってくれました。サボって手ぶらで行くと「私のスピーチはどうしたんだ?」と催促されました。

このスピーチを書くという作業を通じて、私は人にアピールする文の運び方や、論理的に文を組み立てていく力を身につけました。(人との比較ではありません。私なりのレベルでです。)2分間スピーチと言うとたいした長さではないと思われるかも知れませんが、実際には結構長く、それも即興でとなるとなかなか大変なのです。またこれにより、どんなテーマが与えられてもとにかくそれについて話す、自分なりの考えを述べるという訓練ができたと思います。このことは英語を話す上でもとても大切なことのように思います。私たち日本人は自分の意見を述べる訓練を受けてきていません。目立つことはせず、人と同調するのが良しとされています。一方ほかの国の人たちは、少なくともアメリカ人は小さいときから、どんなつまらない意見でもとにかく言うように励まされ、ディスカッションやディベイトで鍛えられてきています。「意見を聞いても何も返事が返ってこない。反応が乏しい。いったい日本人はものを考えているのだろうか?」とケビンからも聞かれたことがあるのですが、アメリカ人にとっては日本人の沈黙が不可解でもあり、ストレスの原 因にもなるのです。

最初に書いたとおり、私にとってライティングはスピーキングと同異義語です。スピーチを作ることでスピーキングの力もつけることができたと思います。

.読者参加の雑誌に応募する
翻訳の勉強のためについていた先生に勧められて、「時事英語研究」の読者参加の和文英訳に毎月応募していたことがあります。これでいい訳ができると、名前を雑誌に載せてもらえます。(最優秀者には賞品か賞金があったように思います。)またNHKの「ビジネス英語」にも「ビジネス英語セミナー和文英訳」というのが毎月あって、これにも応募していたことがあります。「ビジネス英語」のほうは、優秀者、佳作者には「NHKビジネス英語」の特製テレカがもらえます。私はこれで何枚かテレカをもらいました。こういう読者参加のセミナーは、毎月締め切りがあって、それに向かってがんばるのでペースを作りやすいのが利点です。友達と一緒に毎月応募することに決めて、お互いに「もうすぐ締め切りだよ」とか、声をかけあってやると続けられます。自分なりの最高の作品を出そうとするので、一生懸命考えるその過程で力がつきます。自分の名前を見つけるのもうれしいし、景品がもらえたら、一石二鳥です。

SPEAKING

私にとってはライティングがそのままスピーキングの練習です。また、読む、書く、聞く、話すのすべては相互に関連しあっているのでそのどれをとってもスピーキングにつながります。その他に特にスピーキングのためにやっていたものは次のとおりです。

1.ラジオの英語番組を聞く
私は「NHKラジオ英語会話」の長期にわたるリスナーです。途中何ヶ月か、また時には何年か間があいてしまったこともありますが、実に高校生の頃英語の先生にこの番組の存在を教えられてからずっとですから、もう何年聞いているのでしょう?テーマ音楽や、担当講師、アシスタントのネイティヴの人たちはその都度変わってきましたが、いまだに大昔のテーマ音楽は懐かしく覚えています。テキストがあるので買っていたときもあるし、ラジオを聞いていただけの時もあります。現在は、とりあえずテキストは毎月書店に頼んでとっておいてもらっているのですが、ほとんど開くことはなく本棚に積んであります。子供が小さくて朝起きるのが早かった頃は起きるとすぐにラジオのスイッチを入れるのが習慣になっていて、「基礎英語」「続基礎英語」も全部ついでに、朝キッチンで働きながら聞いていました。今は朝の早い時間帯には「基礎英語1、2,3、」と「英会話入門」が放送されていると思います。(最初に述べたとおりすべて1999年現在)

現在は夜10:20から「英語会話」、10:40から「やさしいビジネス英語」、11:00から「英語ニュース」を続けてテープに録音しています。以前はちゃんと座ってテキストを開いて聞いてきたのですが、たいてい気がつくといつのまにか寝てしまってとっくに放送は終わっているというのがパターンでした。またその間じっと座ってほかに何もしないで聞いているというのはなんだか時間の無駄のようにも思えて、今は録音だけしておいて、次の日犬の散歩に行くときに、ウォークマンで聞いています。ちゃんと集中して聞くと散歩から帰ってくるまでに「英語会話」のほうはたいてい全部覚えられます。「ビジネス」のほうはレベルが高くて文の量も多く、長いので今の私にはちょっと無理です。(願わくば後1年くらいでこちらも聞くだけで覚えられるレベルになりますように!)「ビジネス英語」はサークルで使っているので、日曜日または月曜の朝にまとめて復習し、時間のあるときは全文暗誦、ないときは Words and Phrases と Vocabulary Building に出ている単語や表現だけでも覚えていきます。しかし我ながらあきれたものだと思うのですが、サークルが休みの週や都合で行けないと前もってわかっている週はラジオの録音すらもやらなくなってしまうのでひどいものです。つまり自分は意志があまり強いほうじゃないと思う人は、いっしょに勉強する仲間を作るというのが英語の勉強のコツだと思います。

.アルクの Speaking Marathon に参加する
アルクはいろいろな英語の勉強のためのコースを用意しています。その中の一つがこの Speaking Marathon です。私が一時いっしょに勉強していた人のなかに3年間オーストラリアにいた人がいました。その人と自分の英語の違いを考えたとき、自分に欠けているのは日常的な生活レベルの英語だと気づいたのです。たとえば、日本の教育システムについてディスカッションするとか、年功序列制度やその他いろいろ話をするときには引けは取らなかったと思うのですが、たとえば「ごみを出してくる」とか「やかんを火にかける」等のもっとも生活に密着した部分がすっぽり抜けていることに気づいたのです。アルクのこのコースはそれを埋めてくれるものでした。つまり日常会話が英語の基本ということです。「朝起きてから寝るまで表現」で毎日の生活の中で思ったこと、起きたこと、見たこと聞いたことを全部英語にしていくのです。毎月テキストとテープが送られてきて、月末には自己採点のテストを提出します。また毎月(だったと思いますが)電話でネイティブの人と話す特典もついてました。毎月決まって送られてくる通信教育はいいペースメーカーになります。私は2年ほどこれを続けました。

3.見たもの、聞いたもの、読んだものを英語にしてみる
再び英語をまじめに勉強してみようと決心した11年前ですが、最初の1年間はちょうどテニスで言う「壁打ち」をしていました。つまり独り言です。思ったことを英語にしてみる、読んだ新聞記事を英語にしてみる、自分の動作を英語にしてみる、テレビを見て英語にしてみる、というようなことをやっていました。当然わからない単語がいっぱいあるから、辞書は引きっぱなし。ふと気がつくと朝始めて、いつのまにかあたりは真っ暗、1日がそれで終わってしまったなんてこともありました。こう言うと私はよっぽど暇人のように思われそうですが、一応普通の主婦をやってるし仕事もしています。子供も2人、毎日ご飯も作っているし、お弁当がいる時期はお弁当も作っていました。私は自分の母親が商売をしていて誰よりも忙しい人であったにもかかわらず、食事は手抜きをすることなく手間暇かけて作ってくれていたのを見て育っているので、食事に関して言うと結構こだわって作っているほうではないかと思っています。いっしょに英語を勉強していた人から「あなたは勉強ばか りしている人なのかと思っていた」と見直された(?)こともありました。但しその他の家事、主に掃除、はやっぱりだいぶ犠牲になっていて、そこが私の母親とは差のつくところです。つくづく私の母は偉かったと思います。勿論家族の理解もなければできなかったことだと思います。私は英語を教えることを仕事にしてしまっていたので、趣味がそのまま仕事になったようなところがあって、その点で恵まれていると思います。

約1年の壁打ちの後、ニュージーランドから来たばかりの英会話スクールの先生に紹介してもらって、初めて壁打ちではない本物のテニスマッチをしたときは英語が堰を切ったようにーーというのは大げさかもしれませんが、延々8時間ほど、2人で休みなく話し続け、私はとっても満足、そして彼のほうも久しぶりにまともに英語が話せたと喜んでくれました。

LISTENING

リスニングは大きなチャレンジです。それほど難しいということです。聞く量を増やすしかないのではないでしょうか?ただしわからないものを何十回、何百回聞いても無駄です。ただ聞いているだけで魔法のようにある日わかるようになるなんて夢のようなことは決して起きないでしょう。聞くしかないといいましたが、基本的にはリーディングが基礎になっていると思います。読んでわからないものは聞いてわかるはずないでしょう。また知らない単語は聞こえません。だから、リーディングで読解力を高め、また語彙を増やしていくことです。

1.アルクの Hearing Marathon に参加する
毎月ヒアリングのためのHearing Maraton テープと English Journal というインタビューテープの二つのテープとそれぞれのテキストが 送られてきます。1年間で1000時間英語のシャワーを浴びようというものです。つまり1日に3時間くらい何でもいいから英語を聞くのです。毎月月末にはテストがあって提出します。最初テキストを見ないでテープを聞いて、後からテキストを見て確認します。知らなかった単語や表現をマークして覚えます。English Journal の方は難易度が書いてあり、なまりがあるとか、速度が速いとか遅いとか、こもった話し方をするとか鮮明に発音するとかいった、情報が最初に示されています。標準的な英語だけでなくいろんな国の、また同じ英語圏の人でも出身地によってぜんぜん違う英語を話すので、いろいろな種類の英語を聞くことができます。ラジオの講座の場合、学習者向けの模範的な英語だけを聞くことになりますが、実際の場ではむしろ標準的ではっきりとした発音で英語を話す人のほうが少ないかもしれません。Hearing Marathon は3年ほど続けていたでしょうか。その後しばらくは毎月 English Journal の購読をしていました。私はこれでかなり語彙を増やしました。このテープ付きの月刊雑誌はかなり使いでがあります。テレビの英語放送もいいのですが、script がないのが難点です。

.テレビの英語番組をみる
現在私は、パーフェクTVで CNN, BBC, スーパーチャンネル、その他さまざまな英語放送を見ることができます。でも実はパーフェクTVを入れたのは1年半くらい前のことです。映画やドラマを見るのは好きですが、勉強としては私のリスニングはもっぱら Hearing Marathon とラジオの講座が主体でした。テレビは比較的時間があるときには見ていますが、実際には細切れの時間はあってもちゃんとテレビの前に座って見られるだけの、まとまった時間がなかなかありません。映画でリスニングの力をつけたり、スピーキングの力を向上させたという人の話も聞きますが、字幕が目に入ってくると集中できなくなります。私は持ってないですが、キャプションデコーダーを取り付けると、字幕を英語で見ることができるので、非常に有効だそうです。

最後に
英語を勉強するというのは自分の世界を広げるということです。英文を読んで意味はわかっても、その背景となる知識が乏しいと、本当の理解はできません。私の生徒の高校生たちが、「学校で訳はした、でも何言ってるのか、さっぱりわからない」ということがあります。それは、人生経験の少ないこと、背景知識がないことが大きな原因なのです。たとえば日本語の新聞でも、政治に関心のない人が、政治に関する記事を読んでも良くわからないでしょう。それなのに英語でなら政治の記事が理解できると言うことはまずありえないでしょう。英語の能力を高めるには、いろいろな分野にアンテナをはり、意欲的に知識を身につけることが必要だと思います。(1999年7月現在記)
私にとって英語の「猛勉強時代」は1989年からこの1999年にわたる約11年間。私がこの「英語のページ」を初めてホームページにアップしたのは1999年7月でした。

私が長年に渡って聞き続けてきたラジオ英語会話の講師であった大杉正明先生が番組を去る最後に言われた言葉「本来語学の勉強に終わりはありません。」のとおり、今も私にとっては毎日が勉強です。語学に限らず何事においても毎日が勉強であり、人は年齢にかかわらず学習し続けそして一生向上することができると信じています。そしてそれが人を輝かせてくれると信じています。

以上

homeへ